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蜘蛛の巣の写真集

ハレの日のケ、ケの日のハレ

外猫との意思疎通について(2013)

f:id:nahoshitsu:20160920181224j:plain以前、ひとり歩きで町猫に会ったら猫語で話かけていた。本気のニャーで。私と貴方は対等です、貴方との出会いを喜びます、といった気持ちをこめて。
その頃は猫と暮らしていてネイティブな発音だった、猫は驚いて私の顔を見る。しばらく猫のいない生活がありそのうち発音に自信がもてなくなった。猫と会っても見つめるだけの日々になった。
その後実家にもまた猫がやってきて、猫の町に引っ越した私は、最近は猫に人語で話かける。まず、猫、と呼ぶ。見つめあう。ゆっくりまばたき。はじめして、おどろかした? 良い天気ね、バイバイ手を振る、そのくらい。
猫語で話かけていた頃のニャーを翻訳すると、餌をくれとでもいう意味になるはずだ、猫が人に要求するときの甘えた声。その猫語しか知らなかった。
自信がなくなって止めた猫語ではあるけれど、それはそれで良かったという気がしている。野生に近い猫ならいざしらず、町猫は猫のほうで人語を理解している。場面にそぐわない猫語で話かけるよりは人語で話したほうが猫の混乱は少なく、関係性から言って自然とも思う。