蜘蛛の巣の写真集

ハレの日のケ、ケの日のハレ

七歳(2007年)

美術展の薄暗い絵本上映室での話。 

上映室にはふた家族分のおこさまと私の6人。四歳前後のチビッコ4人と、七歳くらいの女の子。母親たちは「泣かないのよ」と言い残し外で待機。

導入部、絵本をめくる映像。ゆるい音楽…素朴な楽器の音とこどもの声…a・・a・・a・・a・・・まざりあう。

それに共鳴してチビッコたちがァーーーー…小さく長く声が響かせる。

ピーター・シスのアニメでクスクス笑いが止まらないチビッコたち。暗いしちょっと怖い内容なのだけど、チビッコたちはおかしくてたまらない様子で、くすぐったい声が転がってはねかえって気持ち良い。 

そんななか、七歳くらいのお姉ちゃんが、きちんとした良い子、だった。小さな声で「しずかにして」って、ひとりおとなだっだ。良いんだよ、あなたも一緒に遊びなよ、って思った。ここはそういう場所だから良いんだよ、一緒に笑いな。限界が来たのだろう、途中でお母さんを呼びに退室した。その時も「前すみません」と小さい身体を小さくしていて泣けた。 

こんな小さい子に子守させるのは酷だよーって思ったけど、それも教育かな。お母さんたちはあのお姉ちゃんをだきしめて誉めてあげて欲しい。お母さんたちが来てからはチビッコたちも大人しくなっちゃって、ちょっとつまらなかった。おとなって邪魔。私がいなければお姉ちゃんも自由でいられたのかもしれない、やっぱりおとなって邪魔…。 

それで思ったのが、絵本が相手にしてるのって、この自由な小さい人たちだってことだ。そしてこのお姉ちゃん。絵本は、このお姉ちゃんが、自由なチビッコに戻れる場所になれるかもしれない。 

「絵本はこどものもの」っていうの聞くたび憤りを感じるけど、絵本はそうやって、大人からこどもを守っているのかもしれない。